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今年最後の仕入れ

M151A2フォードMUTTが入荷しました。
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弊社で平成19年に中古販売してますので、丸8年も可愛がって下さったことになります。
前オーナー様は好事家さんなので、お嫁に出した時よりもオプションが増えて帰って来ました。

もともと素性は良い車ですが、ちょこちょこ走っていた個体なのでエンジンは調子よく回ります。
車検もH29年7月まで残っていますし、3ナンバー乗用登録なのでNOX/PM規制もありません。

個人的には車検証の車名(メーカー名)記載が、しっかり「フォード」となっている所がポイント高いですね(笑)

年末年始でしっかり試乗、検証して修理箇所と販売価格を見極めたいと思います。


ご興味のあるかたはお早めにメールにてお問い合わせくださいませ!(^^)!


くろがね四起のデファレンシャルギヤーは美しい!?

くろがね四起は四輪起動のために、フロントとリアにデファレンシャル(差動装置)を持っています。
左側がフロントのギヤー、右側がリヤ側のギヤーです。
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当たり前と言われればそれまでですが、通常の2輪起動では後軸2輪駆動となりますから、フロントデファレンシャルには入力はありませんので、フロントデフギヤーは綺麗です。
フロント側へ動力を伝えるプロペラシャフトが欠損していたので、もしやフロントデフ内部は破損しているのでは?という妄想もあり、恐る恐る分解したのですが、杞憂に終わりました・・・ほっと一息♪
・・・なんて思ったのも束の間の出来事でして、油断していたリアデファレンシャルのサイドギヤーの一枚が全周に渡り酷い歯こぼれをしておりました・・・(>_<)
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ケッテンクラートの時にも同様の事態に見舞われておりましたので、ギヤーをリプロダクト(再製)することにしたのですが・・・
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問題のギヤーの裏面には、オイルを行き渡らせて潤滑させるための工夫がされており、ここまで再現することが困難なことが判明しました!
日本内燃機の創業者であり、くろがね四起の設計者である蒔田氏は、生粋の技術者でありました。
そのため、当時の企業レベルでは分不相応な程に生産加工機械を導入しており、これらのギヤー切削も全て内製化していたと聞いてビックリ(下町ロケットの佃製作所みたいですね)しましたが、そのコダワリが災いして75年後に困る人がいるとは思っても居らなかったでしょう!!

新品を作るのと金額は変わりませんが、現物修理は出来ますと加工業者さまから救いの手を差し伸べて頂き、現在鋭意復元作業中です!!一度焼きなまして肉盛してから、機械加工で切削。しかる後に再度焼き入れされて送り返してくれるとのこと・・・本当にありがとうございます。
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そんな理由で、組み立て準備の整ったリヤフォーシングは来年まで待機状態となりました・・・

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こちらは順調に組み立が進むフロントデファレンシャルと、フロントサスペンションアッセンブリーです。
年末までには形になってくれそうですね(^^♪

東欧車両は奥深き迷宮?

はじめてロシア訪問して実感したのは、旧共産圏諸国の日常に関する情報の少なさです。

数年前にチェコ共和国を訪れた際にも、かなり驚きましたが、東欧諸国の自動車について一般的な日本人は本当に情報不足です(もちろん自分もその一人)。

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最近の愛車?でもあり、ご執心のシュタイヤー1500Aなどもその一例で、軍用車両のようなマニアックな世界でも(いやだからこそ?)東欧諸国の車両に関しては比較研究できるほどの情報はありません。
実際に自動車雑誌よりも、模型雑誌の方が情報があったりますが、プラモデル製作には外観が命ですから、勢いメカニカルな情報量は限られます。

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今回訪問したモスクワ某所の工房では、ホルヒ901中型乗用車数台と、シュタイヤー1500A数台が同時進行でのレストア中でした!(^^)!

写真で天井に吊られているのは、ホルヒ901中型乗用車ノボディーです。

そして、このシュタイヤーの側面に注目!スペアタイヤが収まる凹みがありません!!

これは最初の量産型(フレーム番号1000番以下)の特徴で、極初期に生産された証です。
なんでもこの車両はモスクワ近郊に水没していたそうですから、本当に遠くまで走って来た初期型の一台です。

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完成するとこんな感じです~!(^^)!
こちらはスターリングラード近郊で掘り起こされた個体とのこと。
モスクワ攻防戦を生き延びたが、スターリングラードで力尽きたのでしょね・・・

このような貴重な車体を複数台個人コレクションしているとは、なんとも羨ましい限りです。
とはいえ、国土が戦場になるということは悲惨なこと・・・身近なところから戦争遺物が出てくることは羨ましいと思えません。

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いろいろな想いは交錯しても、技術的好奇心には勝てません!
もう一台のレストア中のシュタイヤーを横目にしながら、オーバーホール完成間近のエンジンに向かいます!

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空冷V8のポルシェ設計エンジンを眺めながら、シュタイヤー2000のエンジンはどこが違ったのか?
何気なく質問したら、目の前のエンジンが正にシュタイヤー2000のモノとの回答!!
・・・違いが判りません!!

それもその筈、エンジン本体はまったく同じとの回答に、またまたびっくり!!

そして先ほど見たレストア途中の車体が、シュタイヤー2000だと聞いて再びびっくり!!
いそいそと車両の方に戻ります(^^ゞ

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クラッチが強化されたのか?そもそも強度不足だったのか?理由は不明ですがフライホイールの形状や、クラッチ調整用の点検口が大型化され形状が変っているとのこと。

ものの本にはサスペンションが強化されたと書かれていますが、なる程フロント横置きトーションバーの固定用ブラケット形状が変更、大型化され、取付けボルトが1本から3本に増えていました。

リアサスペンションについては、1500A/02型との差異が判然としませんでしたが、リーフスプリングが強化されているとのこと。
これは執筆時までの宿題ですね・・・・

えっ?何の執筆かって、それはシュタイヤー1500Aの本に決まってます(笑)

う~ん、誰が買ってくれるんでしょうか?ちょっと不安ですが、開発史と生産時期による変遷、そしてレストア記録と併せたら興味深い読み物になると思いますが、いかがでしょうか?

コメントで買います!という方が多ければ本当に出しますよ~(笑)

応援よろしくです(^^♪

戦車の神様 in モスクワ

確認している範囲では、世界で唯一の実働「九七式中戦車チハ」。
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レストア中の写真を拝見しましたが、フェンダーやマフラーを始めとする車外装備品は全て復製品です。
そのクオリティーと拘りに驚かされます。

残念ながらエンジンは別車両のモノが搭載されていますが、変速機や操行装置はオリジナルをレストアして使用しています!

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履帯は防滑鋲が残るオリジナル。数台分の部品から程度の良い物を寄せ集めてレストアしたそうです。

手元に新品同様の部品があるからこそ複製品と判る転輪ゴムですが、接地面の窪みが無いだけで刻印も含めて素晴らしい出来栄えです。

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なぜかすっかり愛着が湧いてしまった九五式軽戦車も同様に実働可能です。
こちらもエンジンは載せ替えられていますが、変速機と操行装置はオリジナルを使用していました!
今回はこれが確認できたことが最大の収穫でした(^^♪

閉館後に特別に見学させてもらったので、中まで入り放題です(笑)

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こちらは転輪ゴムだけではなく、履帯もすべて復製品!!
材質まで拘った鋳造とのことで、実物同様(或いはそれ以上)の強度があるとのこと・・・・

こちらの個体も修復過程を写真で拝見しましたが、ポナペ島に残っている個体と同様か、それ以上に破損が激しい車両でした。

それがここまで修復できるのか・・・いろいろと妄想が頭の中を駆け巡ります(笑)


全ての旧車、絶版車に共通することですが、まずは興味を持って接すること。

そして情熱も持って情報を集め、愛情を注ぐことです。

その情報の内、いちばん重要なのは個体のオリジナル度とか、程度とかではなく、入手可能な部品と、不可能な部品を知ること。

さらに入手不可能な部品のうち、再製可能な部品と、不可能な部品を知ることが、いつまでも愛車を走らせ続けるために必要不可欠な情報なのです。

勢い、日本のマニアでもいろいろな絶版部品を作ったり、マニア向けに部品を修理、再製する業者が存在しますが、戦車の操行装置のオーバーホール(部品再製造を含む)は聞いたことがありません!!

ロシアの戦車レストアラーグループとの接点は大切にして行こうと思うのでした(*^^)v
プロフィール

小林@御殿場

Author:小林@御殿場
静岡県御殿場市在住
株式会社カマド
代表取締役です。

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