キューベルワーゲン・1943年式
所定位置に収納されたリファービッシュ・キューベルワーゲンを眺めてみましょう。その前にもう一度、この車の来歴を簡単にお話しましょうか?10年ほど前には考えられないことですが、ここ数年、レストアには欠かせないチェコ製のリプロダクション(復刻版)部品のラインナップが豊富になり、一昨年にはキューベルワーゲンのボディーはほぼ新品リプロ部品で揃うようになりました。そこで、程度の良いシャーシをオーバーホールして、新品のボディーを載せたキューベルを作ろうと思い立ったらしいのです。
実際に流石の東欧でも、納屋から何十年も眠っていた軍用車が発見されることも少なくなり、レストアベースとしては程度が悪すぎるとして放置されていたフレームが注目されたということもあるようです。
昨年、チェコのショップに注文したキューベルが先週やっと手元に届いたので、じっくり見て行きましょう。

ボディー外板は、ハンドメイドの部品もありますが、大物パネルは明らかにプレスされています。チェコの業者は言葉を濁しますが、明らかに当時の金型が残っているか、新規に金型を起こしたとしか考えられません。製造中の写真では専用冶具を使って、しっかり寸法だしされていますが、完成車のドアの立て付けは当時の新車はこんな感じだったのかな?と思わせる素晴らしい出来栄え。
ステアリングホイールは前期型を取り付けてくれました。これはオリジナル部品のようです。国内に現存するキューベルの実車はほとんど後期型(シュビムワーゲンと共用)のステアリングが付いているので、これは嬉しいプレゼントです。ダッシュボード周りも、スイッチ類など一部オリジナルが使用されていますが、メーターなどはリプロ新品。逆にオリジナルが使用されている個所はリプレイスメント部品がないということなので、大切に扱いたいと思います。オドメーターは120kmを表示しており、完成後に試乗したというメールを裏付けてくれます。

リアシート周辺では、トランクリッドの合わせが気持ち良いです。開閉はとてもスムーズ。幌を開けたときに邪魔になる中央の棒状の部品は対空機銃架です。これにMG34またはMG42用のクレイドルが付けると、ワンタッチで機銃が取り付け可能です。国内ではあまり見かけない部品ですが、納期が遅れたお詫びにチェコで取り付けてくれたのですが、正直言って邪魔です(笑)。おそらく撤去する可能性が大きいので、興味がある方は早めに現物の取り付け状況を確認することをお勧めいたします。
リヤシートの下にはバッテリーケースが見えます。オリジナルと同形状ながら、12Vバッテリーを収納するために一回り大きくなっています!通常、6V電装から12V電装へ変更した車両は大きくなったバッテリーが6V用のケースに入らないので、剥き出しになるのですが・・・ここまで拘るか?の専用ケースを作っちゃてますね。

運転席に座ってみましょう。ワイパーモーターは当然12V化されていますが、その配線の処理に注目!!何やら補強のために組み紐のようなモノで処理されています。60年前には、現在当たり前のように使われるビニール絶縁テープや樹脂製のスパイラルケーブルは存在しない訳でして、ケッテンクラートのレストア時にも悩みましたが、結局、未再生原型車を観察しないことには判るはずもないのです。想像ですが、チェコ人はそのような作業を経て、この車の細部を再現しているのでしょう。その筋では有名なお店ですが、任せて正解です。普通のワーゲン屋さんではここはビニールテープで処理してありますから・・・。

さてさて、視点はだんだんと下がっていきます。ダッシュボード下部の足元はこんな感じです。今まで5台ほど実車を直に観察してきましたが、60年ほどの時の流れと、数回のレストアを経てパネルの合わせは一台一台微妙に違っており、工場出荷時のようなこの車を見て感無量。当時の兵士にとって、我々がハンビーや高機動車を見て感じる興奮と同じ種類の何かを感じる車だったはずで、クラシック、骨董品として接する我々の視点はでは測れないオーラを60年の歳月を超えて発するコイツは只者ではありません。もちろん、ただ奇麗にキューベルをレストアしただけでない、作り手のこだわりの成果であることは言うまでもありません。

さらに車体下面をのぞいてみるとこのような感じです。プラットフォームシャーシは当時の実物をレストアしています。いわゆるVWビートルと同サイズのフレームですが、kdfワーゲンと呼ばれる1949年までの生産型は左右フロアーパンのプレスが写真のように横方向のみ、戦後ビートルのそれは強度を出すために格子状になっているので見分けは簡単です。それにしても・・・ため息が出る仕上がりです。
実際に流石の東欧でも、納屋から何十年も眠っていた軍用車が発見されることも少なくなり、レストアベースとしては程度が悪すぎるとして放置されていたフレームが注目されたということもあるようです。
昨年、チェコのショップに注文したキューベルが先週やっと手元に届いたので、じっくり見て行きましょう。


ボディー外板は、ハンドメイドの部品もありますが、大物パネルは明らかにプレスされています。チェコの業者は言葉を濁しますが、明らかに当時の金型が残っているか、新規に金型を起こしたとしか考えられません。製造中の写真では専用冶具を使って、しっかり寸法だしされていますが、完成車のドアの立て付けは当時の新車はこんな感じだったのかな?と思わせる素晴らしい出来栄え。
ステアリングホイールは前期型を取り付けてくれました。これはオリジナル部品のようです。国内に現存するキューベルの実車はほとんど後期型(シュビムワーゲンと共用)のステアリングが付いているので、これは嬉しいプレゼントです。ダッシュボード周りも、スイッチ類など一部オリジナルが使用されていますが、メーターなどはリプロ新品。逆にオリジナルが使用されている個所はリプレイスメント部品がないということなので、大切に扱いたいと思います。オドメーターは120kmを表示しており、完成後に試乗したというメールを裏付けてくれます。


リアシート周辺では、トランクリッドの合わせが気持ち良いです。開閉はとてもスムーズ。幌を開けたときに邪魔になる中央の棒状の部品は対空機銃架です。これにMG34またはMG42用のクレイドルが付けると、ワンタッチで機銃が取り付け可能です。国内ではあまり見かけない部品ですが、納期が遅れたお詫びにチェコで取り付けてくれたのですが、正直言って邪魔です(笑)。おそらく撤去する可能性が大きいので、興味がある方は早めに現物の取り付け状況を確認することをお勧めいたします。
リヤシートの下にはバッテリーケースが見えます。オリジナルと同形状ながら、12Vバッテリーを収納するために一回り大きくなっています!通常、6V電装から12V電装へ変更した車両は大きくなったバッテリーが6V用のケースに入らないので、剥き出しになるのですが・・・ここまで拘るか?の専用ケースを作っちゃてますね。

運転席に座ってみましょう。ワイパーモーターは当然12V化されていますが、その配線の処理に注目!!何やら補強のために組み紐のようなモノで処理されています。60年前には、現在当たり前のように使われるビニール絶縁テープや樹脂製のスパイラルケーブルは存在しない訳でして、ケッテンクラートのレストア時にも悩みましたが、結局、未再生原型車を観察しないことには判るはずもないのです。想像ですが、チェコ人はそのような作業を経て、この車の細部を再現しているのでしょう。その筋では有名なお店ですが、任せて正解です。普通のワーゲン屋さんではここはビニールテープで処理してありますから・・・。

さてさて、視点はだんだんと下がっていきます。ダッシュボード下部の足元はこんな感じです。今まで5台ほど実車を直に観察してきましたが、60年ほどの時の流れと、数回のレストアを経てパネルの合わせは一台一台微妙に違っており、工場出荷時のようなこの車を見て感無量。当時の兵士にとって、我々がハンビーや高機動車を見て感じる興奮と同じ種類の何かを感じる車だったはずで、クラシック、骨董品として接する我々の視点はでは測れないオーラを60年の歳月を超えて発するコイツは只者ではありません。もちろん、ただ奇麗にキューベルをレストアしただけでない、作り手のこだわりの成果であることは言うまでもありません。

さらに車体下面をのぞいてみるとこのような感じです。プラットフォームシャーシは当時の実物をレストアしています。いわゆるVWビートルと同サイズのフレームですが、kdfワーゲンと呼ばれる1949年までの生産型は左右フロアーパンのプレスが写真のように横方向のみ、戦後ビートルのそれは強度を出すために格子状になっているので見分けは簡単です。それにしても・・・ため息が出る仕上がりです。
コメントの投稿
すばらしいの一言に尽きます。
途中、寄ってみたかったのですが、遅くなったので通過して帰りました。
途中、寄ってみたかったのですが、遅くなったので通過して帰りました。

本当にすばらしいですね!!
溶接はアークではなく、スポット溶接ですね!!
はやく見たいです!!(^^)
溶接はアークではなく、スポット溶接ですね!!
はやく見たいです!!(^^)