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「STV」社詳報

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チェコのサープラスショップ「STV」社はプラハに本拠を構え、国内数か所に支店を持っています。航空機を扱う支店もあり、弾薬、火薬を扱い、鉱山やビルの爆破も請け負うようです。自分が訪問したのは、プラハ北東30kmほどのところにある車両集積センター。もともと軍の施設をそのまま買い取った場所のため、自衛隊駐屯地のような感じでした。入口は固くと閉ざされ、厳つい守衛さんの後ろにはドーベルマンが控えます。怖いです・・・

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こんな事もあろうかと日本から持参した「軍手」を装着し、さっそくT72戦車内部を探検。ほんの20年前までは秘密のベールに覆われた、旧ソ連軍の主力戦車ですから、自分の世代から上の方々には共産圏の恐怖の象徴のような戦車です。カッコ良いのですが、なにか無機質な不気味さがありますね。
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ご要望にお答えして、今回はすこし写真を大きくしています。操縦室は我が国の「74式戦車」並みに狭いです。
シートは乗り降りの際に踏みつけるので痛んでおり、トラベルロック状態で砲身が運転席の右上方にあるため、乗り降り方向である左側が痛みが激しいのが確認できます。

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コマンダーズハッチはWW2以来の伝統で、ハッチが防弾板の役割をするために前方に開きます。ロックを解除すればキューポラごと回転しますが、基本はこのポーズ。しかし、実際に乗ってみると前方視界が制限されて使い勝手が悪いです。ソ連戦車の伝統と笑ってばかりは居られません。西側戦車は後方に開くものが多く、戦後の日本戦車もそのように開きます。我が国の新型「10式戦車」の初期試作車は、横方向へのスライド式になったと思ったら、3号車では通常の後方開きに戻ってました。量産車もそのようになると聞いてますが・・・スライド式の方が近接戦闘時には理屈では良いはずです!!
まあ、理屈ではなく、使い慣れた方が良いということなんでしょう。どこの国も同じで興味深いですね。
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砲塔上から見た125mm滑腔砲。サーマルジャケットが乱暴に剥き取られ、使用できない様にプラズマカッターで切れ込みが3か所入っているのが確認出来ます。チェコ共和国ではこれだけで法律的にはOK。スクラップとして払い下げられた証拠です。はっきりした数が判りませんが、「STV」社では「T72」を60輌ほど、「T55」をそれよりも少ない数、そしてBMPシリーズやBRDM装甲車など、各種車両約300輌を仕入れたそうです。現在は「T55」は売り切れ、「T72」も即納可能は5台、在庫は総数で20台を切ったそうです。
数年前には「T34/85戦車」や「OT810装甲車」も数台払い下げが在庫があったそうですが、すでに売り切れとのこと。チェコ陸軍の縮減によって発生した払い下げですから、今後の入庫予定はないみたいです。

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砲手席の眺め。足元には悪名高き自動装てん装置が見えます。黒い椅子の下の半円形の金属ケースです。この中に砲弾と装薬が縦に並べられていて、ぐるぐる回って砲手の指示した弾薬が、揚弾され90度向きを変えられ装てんされるわけです。問題は、砲塔の真下に弾薬庫があるという点で、火災が発生すると「黒ひげ危機一髪」よろしく、砲塔ごと吹き飛んでしまうのです!!南無阿弥陀仏・・・
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砲手席のすぐ横には125mm砲の巨大な砲尾が・・・ここで先ほどの弾薬庫から、見るからに無骨な自動装てん装置により125mm砲弾がくるりと回って、がっしゃんこと押し込まれるのですから、堪りません。
・・・噂では右腕を装てんされちゃう事故があると聞きますが、笑えません!!
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さらに奥、砲手席から125mm砲の向こうにある車長席を望む。車両が万が一転覆した場合には、車長はここを通りぬけて、砲手席からさらに運転席と脱出するのでしょうか?
人道的な兵器なんて無いとお思いのあなた!一度「T72戦車」に乗って戦場に行くことを思い描いてから寝言は言いましょう(笑)

まだまだ続く・・・?

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プロフィール

小林@御殿場

Author:小林@御殿場
静岡県御殿場市在住
株式会社カマド
代表取締役です。

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