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ハワイ紀行「パールハーバー」

遅めの年末年始休暇を頂いて亜米利加合衆国の布哇州へ行ってきました。
昨年末にはニュースで真珠湾攻撃70年にあたると報じられており、第二次世界大戦も遠い歴史になりつつあると感じましたが、実際に現場に立つと感ずることも多々あり「想い」が先に立ちますが、今回はいままでどおりのスタンスでサラッと流して書いてみます。
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パールハーバーと言えばアリゾナ記念艦。白いドーム状の建造物は、雑誌やTVなどで以前から知ってはいましたが、10年ほど前からはお隣に戦艦ミズーリが停泊しております。戦艦アリゾナは帝国日本海軍の真珠湾奇襲により大破沈没、多くの犠牲者を抱いて現在も沈んでおり、白い建造物が船体と交差し十字架を成して墓標となっています。その左側には戦艦ミズーリが遠望できます。終戦時には東京湾上のミズーリ艦上において日本の降伏調印がなされたことで有名です。
開戦と終戦とを判り易く並べてしまうあたりが、アメリカらしくはっきりしていると思う反面、えげつなさも感じたり致します。

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70年経った今も、燃料タンクから重油が漏れ続ける・・・かなり油臭い。
アメリカ太平洋艦隊は二隻の空母を除いて、真珠湾において日本軍の奇襲攻撃により壊滅的打撃を受けますが、全損艦はアリゾナを含めて僅か3隻。半年後には多くの船が引き揚げられて、続々と戦列に復帰します。
まさに1941年12月の開戦から翌年6月のミッドウェー海戦までが、日本が戦争のイニシアティブを握っていた期間であり、この間に大東亜戦争の手仕舞いを演出できなかった日本から勝機は失われたのでしょう。
計算の仕方にもよるそうですが、大勝利という印象の真珠湾攻撃。開戦半年後の判定では損害は10%程度のものだったようです。当日、偶然にも?パールハーバーに居なかった空母2隻も含めれば、被害は3%以下・・・続くミッドウェー海戦まではアメリカ海軍もギリギリの状態でしたが、同海戦での日本の完敗以降は想像するのも嫌になりますね。

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さてフォード島へ渡り、いよいよ今回の旅の目的である戦艦ミズーリへ。
日本の戦艦大和クラスに対抗してアメリカが送りだした、アイオワ級3番艦。排水量53000㌧、全長270m、全幅33m、1944年6月に就役したアメリカ海軍最後の戦艦です。
しかしデカイです。遠近感が狂う大きさですね。大和はもう一回り大きかった訳で・・・これは浮かべる城とは上手く言ったもんです。これに乗ってたら負ける気はしないでしょうね・・・

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ではでは、早速艦内探検。一番砲塔のメインアーマー。18インチと言うから、約45cmもあり、砲塔一基で2100トンだそうです。砲身だけ(砲尾含まず)でも一本120トンですから、90式戦車2台分。

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コチラは装甲艦橋(司令塔)の入り口。さらに分厚い装甲です。閉所恐怖症ではありませんが、このドア閉られたら嫌な気持ちになりそうです。戦車長が戦闘中ハッチを閉めたままだと、外の視察が出来ないために、空けたままにすることが多いそうですが、戦艦の場合はシステムですから、戦闘配置時には完全に閉鎖されます。

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コチラは戦闘指揮所。映画のワンシーン見たいですね。
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トマホーク巡航ミサイル、ハープーン対艦ミサイルの射撃完成装置。「ポチっとな」♪

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少々浮かれておりました・・・現実に直面する場所、コチラは2番砲塔右後方にあたるデッキ。
ここで日本と連合国の調印がなされました。ガラスケースには降伏文書の写しが展示されています。実際にこの場所に立つと、複雑な想いが駆け巡ります。

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さらに想いが馳せる場所が、ここ第三砲塔右の舷側にある凹み。
ここに昭和20年5月、沖縄海域にあったミズーリに神風特攻隊のゼロ戦が突入しました。戦艦ミズーリは1991年の湾岸戦争を最後に退役しましたが、後にも先にも敵弾があたったのはこの一箇所のみだそうです。この僅かな凹みをそのままにしておくのは、アメリカの余裕ではなく勇者への鎮魂のメモリアルだと思いたいです。
いずれにしろ、この僅かな凹みは強大なアメリカに挑んだ、当時の日本の抵抗を象徴する痕跡のような気がしてなりませんでした。

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ご興味のある方は、この本をお読みになると良いかと思います。

現在の戦艦ミズーリはアメリカ海軍籍は無く、民間の非営利団体「戦艦ミズーリ保存協会」に払い下げられ、パールハーバーには停泊料(年間3千万円と聞きましたが・・・)を払って博物館として公開されています。通常の真珠湾ツアーでは見学が出来ません。今回はオプションツアーで見学しましたが、事前に申し込めは砲塔内部や艦の内部を見学できる更に凄いツアーもあるそうで、いずれは参加してみたいと思ってます。
戦車博物館ひとつの実現に四苦八苦している日本の現状は、70年前の戦争当時の日米の国力の差がまったく変わってないように思えるのはなぜでしょう?一応は経済大国、GNP2位(3位に転落するらしいですが・・)の先進国のはずなんですがね。


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小林@御殿場

Author:小林@御殿場
静岡県御殿場市在住
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