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ケッテンクラートのバッテリー

明らかに前回のレストア時に、オリジナル無視で制作されたと思われるバッテリー固定用の金具。悲しいかな、車体側の受け金具の一部はその折に削り取られていた。外から見えないところだし、機能上問題ないのでレストアの優先度は低かった部分です。
IMG_3894.jpg
実際には一通り作業が終わり、なんとか動くようになってから気になり始めた部分なんですね。しかし、当時の写真は言うに及ばず、そもそも出版物が少ないケッテンクラートのバッテリー部分の写真は2年前には入手できず(現在は海外の写真集に一枚だけ掲載されている物があります)、当時の部品マニュアルを見て自分で作るには複雑すぎる、ドイツ的な造形を呪ったりしていたのです。
IMG_0333.jpg
この部品図の上下のアングルはともかく、横の帯状の部品は鉄板なのか?はたまた締め上げボルトがあるので革とかキャンバス的なバンドなのか?材質も不明でした。朽ち果てていようが、腐っていようが、オリジナルの部品が残っていれば判るのですが、当然そんなものありません。
国内にあと2台あるオーナーさんに見せてもらうのが一番良い方法なのですが、海洋堂さんは大阪でなかなか見に行けず、もう一台のオーナーさんは門外不出で見せてくれそうにありません。しかし、いつも部品を注文するチェコ共和国のミカエルさんにメールで材質について質問したところ、オリジナルはバッテリーの酸にやられている物が多く入手は困難だが、逆にリプロダクションで最近作ったので数セット在庫があるから回してくれるとの返事!これが昨年の結婚式直前の出来事で、部品が届いたのは新婚旅行から帰ってきた後でした。その後、そのうちに作業しようと一年以上放置されてしまった可哀そうな部品でしたが、今週末のイベント展示に合わせて一念発起して塗装&組み上げをしました。謎の部品は薄い鉄板の帯で、なるほど10年もすれば錆び、20年もすれば切れてしまいそうです。しかし、当時の6Vバッテリーは今とは品質的に比較にならないものだったでしょうし、頻繁に取り外しをするためにこのような形状になったのでしょう。
IMG_0257.jpg
今回の作業により、ケッテンクラートのレストア進捗度は93%(当社比)。
ゴールが見えて来ているので、あえてスローペースで進行しています。えっ?なぜかと言えば、完成しちゃったら次のおもちゃを見つけなくてはならないからです(笑)

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中身まで

ちゃらんぽらんのレストアでしたか たしかK氏の推奨工場だったような気が・・・ww

あそこはVW専門ですから・・・

整備技術とレストア技術は似て非なるものでして・・・しかも、K氏の場合は価値観や行動パターン自体に問題があることも多く、前回レストアしたお店も迷惑したそうです。要するに「ケッテンを良く知らない人が、良く分からない工場で仕上げたらこうなりました」ということで、個人的に、例のお店自体はVW専門店としては尊敬しております。実際、オーバーホール済みのエンジンは快調で、自分はエンジン内部はまったく触る必要もなく助かっています♪

素晴らしい!!

ケッテンを実際に走行できるまでレストアをされただけでも素晴らしいと思っておりましたが、
つねに完璧を求める小林社長に心から敬意を表します。

リプロとはいえ、なかなか手に入れることが難しいと思われるパーツを入手できるという
ネットワークも本当に素晴らしいですね!!

砂漠の狐Hさま>
良く勘違いされるのですが、完璧は求めていないんですよ!O型です(笑)
自分でもよくわからないのですが、拘りや、探究心は強い方ですが、オリジナル重視とか完璧主義とも違う何者かが自分を突き動かします。何なんでしょ?
プロフィール

小林@御殿場

Author:小林@御殿場
静岡県御殿場市在住
株式会社カマド
代表取締役です。

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