なぜ商業出版にこだわるのか?
5月16日(土)に弊社出版部より「デロリアン・バイヤーズガイド」が発売、全国の書店に並びました。

半年に一冊ペースで発行される、骨董四駆道楽専門誌「キュリアス」も10号を数えるに至り・・・ということは、既に5年経過したのです。
こんなタイミングで、商業出版について少し私見を述べて置きたいと思います。
日本全国で書店の数は減り続け、委託販売、再販制度自体が限界点を向かえる日も近いのではないか?といわれ続けて10年ほど経過します。この出版不況真っ只中に、商業出版に関わってきた経験から言えば、日本の取り継ぎ流通制度は凄い仕組みです!
現在の委託販売制度では、取次ぎと呼ばれる本問屋から、書店に「配本」されて一定期間販売され、回収されます。回収された本は多くは処分されます。このときの「配本数」を分母とし「実売数」を分子とした数字が、「仕上り」と呼ばれます。この「仕上り」が年々悪化するものだから売上げが減ります。売上げ高を維持するために、出版社はより多くの種類の本を出版し、売上げを確保しようと悪戦苦闘しているのが現状です。ですから体力に限界の訪れた出版社から淘汰されるという、危機的事態に陥っているのです。
多くの出版社が、既存の思考回路を断ち切ることが出来ず、拡大再生産ならぬ縮小多種生産の罠から抜け出せないのは、過去の栄光や経験則など、業界の慣習に縛られているのではないか?と部外に身を置く者として感じます。
現在の取り継ぎ制度は、膨大な出版流通データと、流通の仕組みを持って居ます。日本列島津々浦々(一部地域は遅れるのでしょうが・・・)週刊誌が毎週発売日に並ぶんです。しかも委託販売だから書店はリスクがないので、多種多様な本を取り揃えてくれます。こんな凄い国は日本だけでしょう?
要するに、取次ぎ制度が問題なのではなく、長年続いた「しくみ」の多くは精巧で抗い難く、これに流されている出版社や書店が苦しんでいるわけで、「しくみ」は利用するものと達観している出版社や書店は好成績を上げているのだろうと思います。
年に一回程度は海外に行く機会があるので、その訪問国で必ず本屋さんを覗きます。結論から言えば、日本の出版文化は世界一です!日本の出版物は、その種類、分野、本そのものの製本からして芸術的なレベルです。これを当たり前として良いのか?いつも自問自答します。
旧態依然とした仕組みを擁護しているわけではありません。
自分の価値観のお話なので、例えとしては悪いかもしれません。
しかし、交通事故的な偶然の出会いが本屋さんにあると思うのです。
たまたま電車の乗り継ぎ時間があり、駅前の書店にふらりと立ち寄って、なんとなく手にした本にえらく感銘を受けることがあるのは自分だけでしょうか?アマゾンのアルゴリズムは凄いと思いますが、計算された上に提示される推薦図書には交通事故的な偶発性はないです。
年齢や性別に関係なく、不特定多数の方が人生を変える一冊に出会ったり、本当にマニアックな本を手にするチャンスがあるのが、日本の書店の醍醐味ですね。自分は、その書店文化が失われるのが寂しいのかもしれません。
このように考えていくと、自分が読みたいのに本屋さんに売って居ない本を出版したい!!という自分の想いはあながち経営戦略としても間違いじゃあないんじゃないの?と思えてくるのですが・・・・
結果は、デロリアンバイヤーズガイドの仕上り次第ということで・・・(^^ゞ

半年に一冊ペースで発行される、骨董四駆道楽専門誌「キュリアス」も10号を数えるに至り・・・ということは、既に5年経過したのです。
こんなタイミングで、商業出版について少し私見を述べて置きたいと思います。
日本全国で書店の数は減り続け、委託販売、再販制度自体が限界点を向かえる日も近いのではないか?といわれ続けて10年ほど経過します。この出版不況真っ只中に、商業出版に関わってきた経験から言えば、日本の取り継ぎ流通制度は凄い仕組みです!
現在の委託販売制度では、取次ぎと呼ばれる本問屋から、書店に「配本」されて一定期間販売され、回収されます。回収された本は多くは処分されます。このときの「配本数」を分母とし「実売数」を分子とした数字が、「仕上り」と呼ばれます。この「仕上り」が年々悪化するものだから売上げが減ります。売上げ高を維持するために、出版社はより多くの種類の本を出版し、売上げを確保しようと悪戦苦闘しているのが現状です。ですから体力に限界の訪れた出版社から淘汰されるという、危機的事態に陥っているのです。
多くの出版社が、既存の思考回路を断ち切ることが出来ず、拡大再生産ならぬ縮小多種生産の罠から抜け出せないのは、過去の栄光や経験則など、業界の慣習に縛られているのではないか?と部外に身を置く者として感じます。
現在の取り継ぎ制度は、膨大な出版流通データと、流通の仕組みを持って居ます。日本列島津々浦々(一部地域は遅れるのでしょうが・・・)週刊誌が毎週発売日に並ぶんです。しかも委託販売だから書店はリスクがないので、多種多様な本を取り揃えてくれます。こんな凄い国は日本だけでしょう?
要するに、取次ぎ制度が問題なのではなく、長年続いた「しくみ」の多くは精巧で抗い難く、これに流されている出版社や書店が苦しんでいるわけで、「しくみ」は利用するものと達観している出版社や書店は好成績を上げているのだろうと思います。
年に一回程度は海外に行く機会があるので、その訪問国で必ず本屋さんを覗きます。結論から言えば、日本の出版文化は世界一です!日本の出版物は、その種類、分野、本そのものの製本からして芸術的なレベルです。これを当たり前として良いのか?いつも自問自答します。
旧態依然とした仕組みを擁護しているわけではありません。
自分の価値観のお話なので、例えとしては悪いかもしれません。
しかし、交通事故的な偶然の出会いが本屋さんにあると思うのです。
たまたま電車の乗り継ぎ時間があり、駅前の書店にふらりと立ち寄って、なんとなく手にした本にえらく感銘を受けることがあるのは自分だけでしょうか?アマゾンのアルゴリズムは凄いと思いますが、計算された上に提示される推薦図書には交通事故的な偶発性はないです。
年齢や性別に関係なく、不特定多数の方が人生を変える一冊に出会ったり、本当にマニアックな本を手にするチャンスがあるのが、日本の書店の醍醐味ですね。自分は、その書店文化が失われるのが寂しいのかもしれません。
このように考えていくと、自分が読みたいのに本屋さんに売って居ない本を出版したい!!という自分の想いはあながち経営戦略としても間違いじゃあないんじゃないの?と思えてくるのですが・・・・
結果は、デロリアンバイヤーズガイドの仕上り次第ということで・・・(^^ゞ
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同意。書店での出会いは密林にはないですよね。
>いしべ~様
そうなんです!書店でデロリアンバイヤーズガイドに出会った人が「誰がこんな本買うんだ?」と思って頂ければまずは成功。手にして内容を見てレジに走ってくれたら大成功です(^^♪
そうなんです!書店でデロリアンバイヤーズガイドに出会った人が「誰がこんな本買うんだ?」と思って頂ければまずは成功。手にして内容を見てレジに走ってくれたら大成功です(^^♪
税金が
とりあえずレジへ歩いて行き購入しました。
将来の変動を見据えて外税になっていましたね。
税といえばグリーン化税制で車齢13年を超えた車の自動車税が10%から15%に増えていました。
そろそろ文句を言わないといけませんかね。
将来の変動を見据えて外税になっていましたね。
税といえばグリーン化税制で車齢13年を超えた車の自動車税が10%から15%に増えていました。
そろそろ文句を言わないといけませんかね。
Re: 税金が
>BR103様
お買い上げありがとうございます。
・・・税金の件は本当に頭が痛いです。絶対的な課税額よりも、取れるところから取るという発想がよろしくありません。防衛技術博物館の件でも感じるのですが、霞ヶ関や市ヶ谷には優秀な官僚ががたくさん居られます。これは自分が接してみて、本当に頭の良い方が多いので実感です。もちろん公僕としての意識の高い方がほとんどで、日本の役所は優秀だと感じます。代議士の先生のついても同様です。・・・が、それでも専門家の意見を聞くというレベルになると、海外と違い、アカデミックな権威主義に走り、マニアとか愛好家の意見は取り入れません。
自動車税の件は、下手したら運転免許の無い人たち、あるいは自動車を持って居なかったり、単に移動の道具として見ている人たちだけで議論しているのではないか?と感じます。
自動車生産大国を標榜するなら、クラシックカーは文化財という視点で税率を検討して貰いたいですね!
お買い上げありがとうございます。
・・・税金の件は本当に頭が痛いです。絶対的な課税額よりも、取れるところから取るという発想がよろしくありません。防衛技術博物館の件でも感じるのですが、霞ヶ関や市ヶ谷には優秀な官僚ががたくさん居られます。これは自分が接してみて、本当に頭の良い方が多いので実感です。もちろん公僕としての意識の高い方がほとんどで、日本の役所は優秀だと感じます。代議士の先生のついても同様です。・・・が、それでも専門家の意見を聞くというレベルになると、海外と違い、アカデミックな権威主義に走り、マニアとか愛好家の意見は取り入れません。
自動車税の件は、下手したら運転免許の無い人たち、あるいは自動車を持って居なかったり、単に移動の道具として見ている人たちだけで議論しているのではないか?と感じます。
自動車生産大国を標榜するなら、クラシックカーは文化財という視点で税率を検討して貰いたいですね!