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くろがね四起のデファレンシャルギヤーは美しい!?

くろがね四起は四輪起動のために、フロントとリアにデファレンシャル(差動装置)を持っています。
左側がフロントのギヤー、右側がリヤ側のギヤーです。
IMG_5928.jpg
当たり前と言われればそれまでですが、通常の2輪起動では後軸2輪駆動となりますから、フロントデファレンシャルには入力はありませんので、フロントデフギヤーは綺麗です。
フロント側へ動力を伝えるプロペラシャフトが欠損していたので、もしやフロントデフ内部は破損しているのでは?という妄想もあり、恐る恐る分解したのですが、杞憂に終わりました・・・ほっと一息♪
・・・なんて思ったのも束の間の出来事でして、油断していたリアデファレンシャルのサイドギヤーの一枚が全周に渡り酷い歯こぼれをしておりました・・・(>_<)
IMG_5939.jpg
ケッテンクラートの時にも同様の事態に見舞われておりましたので、ギヤーをリプロダクト(再製)することにしたのですが・・・
IMG_5944.jpg
問題のギヤーの裏面には、オイルを行き渡らせて潤滑させるための工夫がされており、ここまで再現することが困難なことが判明しました!
日本内燃機の創業者であり、くろがね四起の設計者である蒔田氏は、生粋の技術者でありました。
そのため、当時の企業レベルでは分不相応な程に生産加工機械を導入しており、これらのギヤー切削も全て内製化していたと聞いてビックリ(下町ロケットの佃製作所みたいですね)しましたが、そのコダワリが災いして75年後に困る人がいるとは思っても居らなかったでしょう!!

新品を作るのと金額は変わりませんが、現物修理は出来ますと加工業者さまから救いの手を差し伸べて頂き、現在鋭意復元作業中です!!一度焼きなまして肉盛してから、機械加工で切削。しかる後に再度焼き入れされて送り返してくれるとのこと・・・本当にありがとうございます。
IMG_3194.jpg
そんな理由で、組み立て準備の整ったリヤフォーシングは来年まで待機状態となりました・・・

IMG_6045.jpg
こちらは順調に組み立が進むフロントデファレンシャルと、フロントサスペンションアッセンブリーです。
年末までには形になってくれそうですね(^^♪

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焼きなまし,肉盛,切削,再焼き入れ.... 行程を見てみたいものです。しかし、単に肉盛りしただけで強度が保てるんだろうか?何か秘伝があるかもしれませんね。

>BR103様
最近ではメーカーの系列もすっかりなくなり、単品製作も受けてくださる機械加工業者様が増えているのでレストアの幅も広がります。今回の作業は個人的も興味があるので、業者様に記録写真をお願いしました。
プロフィール

小林@御殿場

Author:小林@御殿場
静岡県御殿場市在住
株式会社カマド
代表取締役です。

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