2017年ドイツの旅その6@ムンスター戦車博物館(番外編)
目指すべきはシンスハイム交通技術博物館のような、乗り物博物館かな?
と、今回のドイツ行の前は思って居りましたが・・・
ムンスター戦車博物館を見学して、やはり戦闘車両の歴史を鳥瞰できる博物館が
必要だと痛感しました。ジンスハイムは収蔵物が多すぎて百科事典というべきか、
おもちゃ箱をひっくり返したような展示に驚くばかり・・・
専門的な博物館はテーマに沿って、あるいは歴史に沿って、見学者に思索の切っ
掛けを明快に提示する役目があると思います。その点でムンスターは素晴らしい
です。

最後に番外編として、変わり種を少々。
まずは「MBT70」
知る人ぞ知る、ということは知らない人は全く知らないマイナー戦車です。
レオパルド戦車の後継を開発しようと目論む西ドイツと、パットン戦車の後継を開発
しようと目論むアメリカが、開発コストを下げるために共同で取り組んだ夢の戦車です。
文字通り夢のような新機軸を盛り込みすぎて、夢に終わった戦車です。
この計画の失敗を生かして、それぞれレオパルドⅡ、M1エイブラムスを開発すること
になります。世の中の成功事例に学ぶことは共通項を見出すことが難しいので、常々
無意味だと思っておりますが、失敗に学ぶことは本当に有意義であり、我々凡人は先
人の大いなる失敗に学び、それを繰り返さないことで、成功につなげるしかないのです。
これが歴史に学ぶことの醍醐味でしょうね。

どっかで最近見たシリーズその1、ヴィーゼル空挺戦闘装甲車。
初めて実車を見た筈なのですが、日本でこれを作っちゃった人たちの作品を身近に見て
居るので、新鮮味がありません(笑)

どっかで最近見たシリーズその2、ファウン・クラカ空挺軽車両。
出国前のイベントでステージ代わりに使用させて頂いたこともあり、これも全く新鮮味が無い
という車両。
対戦車ミサイル搭載というところに燃える要素はあります。収穫としては運転席のバイザー
が日本国内にある車両と全く同じで、純正品であると確認できたことです♪

スウェーデンのSタンク。現在はレオパルドⅡ戦車に置き換わっているので、その辺のつな
がりからドイツに寄贈されたのでしょうか?近代化改修済みの車両ですね。

そして何故かのイスラエル軍のメルカバ戦車。
意外なことに、各国の戦車博物館に展示されており、イスラエルの外交的な狡猾さを感じる
事例です。
限られた人的資源を大切に考えるその設計思想には学ぶべき点が多く、我が国でも研究
目的に展示をして見たい一台です。

戦車の弱点である砲塔後部の首部分には、チェーンをぶら下げて歩兵の携行対戦車弾等
からの防御を考えてあります。戦車戦だけを想定した主力戦車ではなく、市街地戦闘やゲリ
ラ掃討を考えるなら猿真似と言われても採用すべきではないかと思います。

メルカバ戦車は移動砲台のような機能を有しており、車両後部に兵員昇降ハッチがあります。
通常は弾薬補給などに使用されるハッチですが、戦場で孤立した歩兵や負傷者を救助した
実績もあります。何より搭乗員の脱出が安全に行えるように配慮されています。
日本のような特殊な地形、特殊な用兵を要求される兵器ですから、もっとガラパゴス化して良
いのでは?と思いますが、何故か欧米追従型の兵器体系に常々疑問を感じます。
US-2飛行艇の様に、もっと尖った技術開発が結果的に役に立つのでは?と、メルカバ戦車
を見るたびに感じられます。

博物館のお見送りはレオパルド戦車の鉄道輸送貨車。
我が国の61式戦車も鉄道輸送重視のために、その全幅が決定されたことを考えると、同様な
展示をしてみたいと強く思うのですが、61式戦車はともかく戦車輸送用の貨車って残ってない
だろうな~と暗澹たる思いに駆られるのでした。
これにて2017年ドイツ紀行はひとまずお終いです。
と、今回のドイツ行の前は思って居りましたが・・・
ムンスター戦車博物館を見学して、やはり戦闘車両の歴史を鳥瞰できる博物館が
必要だと痛感しました。ジンスハイムは収蔵物が多すぎて百科事典というべきか、
おもちゃ箱をひっくり返したような展示に驚くばかり・・・
専門的な博物館はテーマに沿って、あるいは歴史に沿って、見学者に思索の切っ
掛けを明快に提示する役目があると思います。その点でムンスターは素晴らしい
です。

最後に番外編として、変わり種を少々。
まずは「MBT70」
知る人ぞ知る、ということは知らない人は全く知らないマイナー戦車です。
レオパルド戦車の後継を開発しようと目論む西ドイツと、パットン戦車の後継を開発
しようと目論むアメリカが、開発コストを下げるために共同で取り組んだ夢の戦車です。
文字通り夢のような新機軸を盛り込みすぎて、夢に終わった戦車です。
この計画の失敗を生かして、それぞれレオパルドⅡ、M1エイブラムスを開発すること
になります。世の中の成功事例に学ぶことは共通項を見出すことが難しいので、常々
無意味だと思っておりますが、失敗に学ぶことは本当に有意義であり、我々凡人は先
人の大いなる失敗に学び、それを繰り返さないことで、成功につなげるしかないのです。
これが歴史に学ぶことの醍醐味でしょうね。

どっかで最近見たシリーズその1、ヴィーゼル空挺戦闘装甲車。
初めて実車を見た筈なのですが、日本でこれを作っちゃった人たちの作品を身近に見て
居るので、新鮮味がありません(笑)

どっかで最近見たシリーズその2、ファウン・クラカ空挺軽車両。
出国前のイベントでステージ代わりに使用させて頂いたこともあり、これも全く新鮮味が無い
という車両。
対戦車ミサイル搭載というところに燃える要素はあります。収穫としては運転席のバイザー
が日本国内にある車両と全く同じで、純正品であると確認できたことです♪

スウェーデンのSタンク。現在はレオパルドⅡ戦車に置き換わっているので、その辺のつな
がりからドイツに寄贈されたのでしょうか?近代化改修済みの車両ですね。

そして何故かのイスラエル軍のメルカバ戦車。
意外なことに、各国の戦車博物館に展示されており、イスラエルの外交的な狡猾さを感じる
事例です。
限られた人的資源を大切に考えるその設計思想には学ぶべき点が多く、我が国でも研究
目的に展示をして見たい一台です。

戦車の弱点である砲塔後部の首部分には、チェーンをぶら下げて歩兵の携行対戦車弾等
からの防御を考えてあります。戦車戦だけを想定した主力戦車ではなく、市街地戦闘やゲリ
ラ掃討を考えるなら猿真似と言われても採用すべきではないかと思います。

メルカバ戦車は移動砲台のような機能を有しており、車両後部に兵員昇降ハッチがあります。
通常は弾薬補給などに使用されるハッチですが、戦場で孤立した歩兵や負傷者を救助した
実績もあります。何より搭乗員の脱出が安全に行えるように配慮されています。
日本のような特殊な地形、特殊な用兵を要求される兵器ですから、もっとガラパゴス化して良
いのでは?と思いますが、何故か欧米追従型の兵器体系に常々疑問を感じます。
US-2飛行艇の様に、もっと尖った技術開発が結果的に役に立つのでは?と、メルカバ戦車
を見るたびに感じられます。

博物館のお見送りはレオパルド戦車の鉄道輸送貨車。
我が国の61式戦車も鉄道輸送重視のために、その全幅が決定されたことを考えると、同様な
展示をしてみたいと強く思うのですが、61式戦車はともかく戦車輸送用の貨車って残ってない
だろうな~と暗澹たる思いに駆られるのでした。
これにて2017年ドイツ紀行はひとまずお終いです。
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日本の戦車でガラパゴス化したものといえば、やはり吉田戦車だと思います。
日本に戦車博物館が出来た折には、吉田戦車の展示コーナーもぜひお願いしたいです!それ目当ての集客も期待できそうですし・・。(笑)
日本に戦車博物館が出来た折には、吉田戦車の展示コーナーもぜひお願いしたいです!それ目当ての集客も期待できそうですし・・。(笑)
いつもきめ細かい説明ありがとうございます。
那須戦争博物館に引き取られていた
チハが今大変なことになってます…
チハが今大変なことになってます…